ページの先頭です。
ページ内移動用のリンクです。
ここからヘッダー内メニューです。
  • ホーム
  • お問い合わせ
  • サイトマップ
ここからサイト内共通メニューです。
ここから本文です。
このページは、
  1. 北里第一三共ワクチントップページの中の
  2. ワクチンの基礎知識 の中の
  3. Q&A集 の中の
  4. インフルエンザ
のページです。

インフルエンザ

1.日本および外国でのインフルエンザワクチン接種の状況について説明して下さい
わが国では、インフルエンザの流行を制御する対策として、1960年代から約30年間学童に対するインフルエンザワクチンの接種が実施されてきました。しかし、この方策ではインフルエンザ流行を充分に制御することができずワクチンの有効性が疑問視され、ワクチン接種率は1992年には17.8%まで落ち込みました。さらに、1994年に改正された予防接種法では接種の基本が個別接種に変わったため、学童に対する集団接種は中止され、勧奨接種の対象からも外され任意接種となりました。

これによりインフルエンザワクチンの接種率はさらに低下して数%以下となりました。一方その当時、高齢者や基礎疾患を持つ人はワクチン接種の際に注意を要する対象者のため、高齢者に対する有効性、安全性の調査はあまり実施されなかったというのが実状です。

アメリカでも1990年以前は高齢者に対する有効性の評価が出されていませんでしたので、ワクチン接種率は25%程度でした。ところが1990年代になり、インフルエンザワクチンの接種が高齢者に対して有効であるという認識が高まり、有効性の調査が実施されました。その結果、インフルエンザによる入院や死亡に関して70~90%の有効性があることが証明され、高齢者にインフルエンザワクチンを接種することが重要な対策として確立されることになり、65歳以上のワクチン接種を無料としたために、高齢者のワクチン接種率は60%以上となりました。

ヨーロッパでも同様な観点から高齢者を対象にインフルエンザワクチンの接種が推奨されており、我が国におきましても平成13年11月の予防接種法の改正により、65歳以上の高齢者に対しインフルエンザワクチンの接種が一部公費で実施されることになりました。
2.ワクチン接種について、効果的な接種時期はいつでしょうか?
一般的には効果的な接種時期は、流行期が通常12月から翌3月頃ですので、これに備えて12月までには接種が終了するような接種計画を組むことをおすすめします。
3.13歳以上は何回接種すればよいのでしょうか?
65歳以上の人は1回接種で充分効果があるという報告があり、1回接種でよいと考えられます。13歳以上65歳未満の人については、近年確実に罹患していたり、昨年予防接種を受けている人は、1回接種でも追加免疫の効果で充分な免疫が得られる方もあると考えられますが、この点に関しては国内での充分な調査研究はまだなされておりません。またウイルスの変異が大きくみられた場合には、2回接種が必要となります。接種回数が1回か2回かの最終的判断は接種する医師の判断によりますので、接種する医師にご相談下さい。
4.インフルエンザワクチンを2回接種する場合の接種間隔は、4週間がもっともよいとされています。その理由を教えて下さい
原則的には、接種間隔は13歳以上では1~4週間、13歳未満では2~4週間です。
流行期を前にして早期に有効な免疫を与えるために13歳以上では1週、13歳未満では2週の間隔で接種ができるようになっていますが、よりワクチンの効果を高めるためには、3~4週間隔で接種することが最適です。
5.卵アレルギーの子供にインフルエンザワクチンを接種してもよいでしょうか?
ワクチンは発育鶏卵の尿膜腔で増殖したインフルエンザウイルスを原材料として製造しています。近年は高度に精製されていますがごく微量の鶏卵由来成分が残存し、これによるアレルギー症状がまれに起こることもあります。

また、卵アレルギーの人は接種要注意者に該当しますので、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断(皮内テスト、インフルエンザにかかった場合のリスクとワクチン接種に伴う副反応とのバランスの考慮)を慎重に行い、注意して接種する必要があります。
6.ワクチン用のウイルス株はどのようにして決められるのでしょうか?
WHOや日本の国立感染症研究所は世界各地でインフルエンザウイルスの定点観測を行っており、分離されたウイルスの抗原性を調べてその年の流行株を予測しています。これらの流行予測株の中から増殖性、免疫原性などが検討され、血清疫学データとあわせてその年のワクチン候補株が選ばれ、厚生労働省により最終的に決定されます。1978年以降、A/ソ連(H1N1)、A/香港(H3N2)、B型の最低3株がインフルエンザワクチンの中に入っており、2010年からは、従来のソ連型に替えて2009年に大流行したH1N1pdm株を使用しています。
7.インフルエンザワクチンの効果についてはどうでしょうか?
インフルエンザワクチンの有効性については以前から問題にされてきましたが、ワクチン株と流行株が一致したときの有効性は70~90%といわれています。これは健康成人で調べられたものであり、型別にみるとA型の有効性は80%前後で、B型は一般的にA型より低く50%前後と報告されています。

一方、1歳以上6歳未満の発病阻止効果は、約30%前後とされており、このワクチンは社会における流行阻止により、接種を受けた個人ないしは家族など身近なところでのメリットを考えることになります。
8.ワクチンを毎年接種する理由を教えて下さい
インフルエンザウイルスは毎年のように変異しながら流行しますので、ワクチンは毎年そのシーズンの流行にあわせたものが生産されます。また、インフルエンザワクチンの感染予防効果は1年は維持しないといわれています。したがって、前年に接種していても次年のワクチン接種は必要ないということにはなりません。
9.ワクチン接種の対象者を教えて下さい
平成13年11月の予防接種法改正により、65歳以上の高齢者及び60歳以上~65歳未満で特定の疾患に罹っている方に予防接種法二類疾病として接種が勧められています。

また、基礎疾患を有する方(気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、先天性疾患等の循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全症の方)などは重症化のおそれが高いのでワクチンによる予防が望ましいと考えられます。またこのような人々にインフルエンザを感染させないようにするため、同居やお世話をしている方、医療従事者にもワクチン接種は勧められます。(高齢者以外の接種は任意接種となります。)
10.ワクチン接種を受けた人から「かぜ」をひいてしまったといわれました。どのように説明したらよいでしょうか?
ワクチン接種後のかぜ罹患がよく問題にされます。かぜ患者の中には、インフルエンザ以外の他のかぜ症状を示す類似疾患の患者が多数含まれています。区別するには、臨床的な診断に加え、ウイルス学的検査・血清学的検査などを併せて行う必要があります。かぜは他種類のウイルスによって起きています。

ワクチン接種を受けた人であっても、ときにインフルエンザに罹患することがありますが、ワクチンの効果は約30~90%といわれています(Q&A7を参考にしてください)。流行後の罹患状況調査において、他のかぜによるものがワクチン接種者で56~88%、非接種者で31~63%というような報告があります。ワクチン接種を受けた人は他のかぜに罹患している可能性が高いにもかかわらず、インフルエンザに罹患したような誤解をしています。科学的な説明を十分にして、理解を得る必要があります。
11.インフルエンザワクチンの免疫持続期間はどの程度でしょうか?
2回接種した成績によりますと、接種1~2週間後に抗体上昇し始め、2回目の接種1ヶ月後までにはピークに達し、3~4ヶ月後には徐々に低下傾向を示します。したがって、ワクチンの効果が期待できるのは接種後2週から3~6ヶ月までと考えられています。
12.流行株の型(たとえば、ソ連型・香港型)について教えて下さい
2009年のパンデミックインフルエンザ発生以降は、Aソ連型と呼ばれてきたウイルスは世界中ほとんど分離されなくなりました。

現在世界で分離されているH1N1亜型のウイルスは、ほとんどが2009年に発生したH1N1pdmです。
*(pdm)パンデミック
13.インフルエンザの合併症にはどういうものがあるのでしょうか?
インフルエンザは今まで単なる呼吸器ウイルス感染症と考えられてきました。一方、乳幼児の場合では以前から中枢神経系合併症として脳症、脳炎及びライ症候群とインフルエンザウイルス感染との関連が注目されていました。近年、遺伝子診断の進歩によりこうした患者の髄液からインフルエンザ遺伝子が検出され、最近ではインフルエンザは全身感染症であるという認識が強まってきました。また、ウイルス性の気管支炎や肺炎だけではなく、細菌の二次感染による肺炎を起こし、インフルエンザ感染症の主な死亡原因となっています。さらに、クループ、気管支喘息の誘発等の合併症も起こします。また、回復期には筋肉炎の合併症を起こしますが、通常は1週間程度で軽快します。しかしながら、重症化すると横紋筋融解による尿毒症を発することが知られています。心筋炎、乳児突然死症候群との関連も疑われています。

インフルエンザウイルス感染症自体で消化器症状として嘔吐、下痢、食欲不振の症状を呈することがあります。インフルエンザウイルスが直接侵襲する可能性もありますが、インフルエンザの流行時期は冬場であり、この時期はロタウイルス感染症の流行期でもありますので、合併症例の可能性もあります。

【インフルエンザの合併症】

呼吸器: 中耳炎、副鼻腔炎、クループ、気管支炎、肺炎
循環器: 心筋炎、不整脈、突然死
筋組織: 筋炎、ミオグロビン尿症(腎不全)
神経: 熱性けいれん、脳炎、急性壊死性脳症、ギラン・バレー症候群、ライ症候群
14.インフルエンザの脳症とはどういう症状でしょうか?
インフルエンザに罹りますと急激な発熱、咳嗽、咽頭痛、頭痛、悪寒等の症状を呈して通常は一週間ほどで軽快します。しかし小さなお子さんがインフルエンザに罹った時、脳症、脳炎、ライ症候群を合併することが知られています。

インフルエンザ脳症による死亡例が新聞等で報道されクローズアップされましたが、こうした重篤な中枢神経合併症は近年になって特に増加したのではなく、インフルエンザの流行した年には発生していたのではないかと考えられるようになってきました。以前は、髄液や剖検脳組織からインフルエンザウイルスを分離した報告例もありますが、こうした検体から常にウイルスを分離することは困難であり、原因を確定することができませんでした。

遺伝子増幅(PCR)法と呼ばれる検査方法によりウイルス遺伝子を検出できるようになり、従来、原因不明であった中枢神経疾患でインフルエンザウイルス遺伝子が検出され、これらがインフルエンザの合併症である可能性の高いことが解ってきました。

この脳症が起きるときには、インフルエンザの初期症状の出現から意識障害に至るまでの期間が非常に短く、嘔吐、けいれんが認められます。頭部CTスキャンでは、脳浮腫を認め、脳幹部に低吸収域が認められる急性壊死性脳症をおもわせる例が多く認められます。

致命率は高く、重篤な場合には症状が急速に悪化しますので、治療するのは困難です。こうした症例の殆どはインフルエンザワクチンの接種を受けていない幼児に認められますので、ワクチンによる重症化の予防という個人防衛の観点からワクチンの効果を見直す必要があると思われます。
15.幼児と年長児とではインフルエンザの症状は違うのでしょうか?
インフルエンザの潜伏期間は通常2~5日ぐらいで突然の発熱で発症することが多く、発熱のほか、全身倦怠感、腰痛、関節痛の全身症状と鼻汁、咳、咽頭痛等の気道症状、食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢等の消化器症状を示すことがあり、通常1週間で軽快します。臨床症状は年長児と幼児で違いが認められます。

幼児では中耳炎、発疹、熱性けいれん等の合併症が多く認められ、年長児では悪寒、筋肉痛、関節痛が認められる傾向があります。また乳幼児では発熱とともにぐったりして元気がなくなり、二峰性の発熱を示すことが多いようです。

インフルエンザのA、B型による臨床症状にはほとんど差がないようですが、筋炎はB型に多い傾向があります。
16.インフルエンザの診断はどのように行われるのでしょうか?
インフルエンザの臨床診断は困難であり、ウイルス学的診断が必要です。直接的な診断方法は咽頭ぬぐい液、鼻汁中のインフルエンザ抗原を短時間で検出できる診断薬が使用されます。

ウイルス抗体価を測定する際にはCF抗体またはHI抗体を測定する方法があります。CF抗体はHI抗体に比べて反応が鈍い傾向があり、特に乳幼児ではCF抗体が上昇しない例があります。また、測定時にはその年の流行株を用いてHI抗体を測定することが大切です。近年、遺伝子学的検査法が進歩してRT-PCR法によりウイルス遺伝子を増幅する診断方法が報告されていますが現状では実施できる施設は限られています。
17.マスク、手洗いの励行によりインフルエンザを防げるといわれていますがどうでしょうか?
インフルエンザは、くしゃみ、咳により空気中に放出されたウイルス粒子を鼻腔中に吸い込むことにより感染します。インフルエンザウイルスは直径約100nmの小さな粒子で、ときには1,000nm程の長糸状になります。いずれもマスク、ガーゼの隙間をくぐり抜けてしまい、マスクでは感染を防止することは不可能です。

喉の粘膜に吸着したウイルスはすぐに細胞に侵入するため、うがいは感染したウイルスを流すためにはあまり有効とは言えません。手洗いは付着したウイルスを洗い流し、体内への侵入を防ぐためには有効と考えられます。
18.インフルエンザワクチンの鼻腔内接種や生ワクチンはどこまで進んでいるのでしょうか?
インフルエンザワクチンは現在不活化HAワクチンの皮下接種が行われています。インフルエンザ感染発症の予防には気道分泌型IgA抗体と下気道からのIgG抗体が重要です。全身のウイルス感染の抑制には、血中のIgG抗体が重要な役割を果たしているものと考えられています。現在使われている皮下接種ワクチンでは血中IgG-HI抗体が作られ、重症化防止には効果がみられますが、感染防止には問題があります。この問題を改善するために不活化ワクチンの鼻腔内接種や生ワクチンが開発されています。

生ワクチンはすでに米国で実用化されております。経鼻接種型不活化ワクチン、あるいは免疫賦活剤(アジュバント)添加経鼻接種型ワクチンは開発が進んでおります。それらのワクチンの実用化が期待されています。
ここからフッター内メニューです。

このページの上部へ

ページの終わりです。 ページのトップへ戻ります。